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BOPIS サービスとは?商品をオンラインで購入して店舗で受け取る
現在ではあらゆる業界において、消費者はショッピングの際に複数のオプションがあることを期待しています。顧客が望むのは、店舗やオンラインで買い物をする機能以上のもの、つまりその両方を組み込んだハイブリッドオプションです。PYMNTS が行った最近の調査では、消費者の 87% が、店舗で買い物をする場合でも、デジタル機能を使用して購入する商品を検索し、支払いを行うと回答しています。また同じ調査で、2022 年にはハイブリッドショッピングの傾向として BOPIS サービスを選択した消費者が 2021 年と比較して 26% 増加したことも明らかになりました。
BOPIS とは?
BOPIS は「オンライン購入、店舗受け取り」を意味し、「クリック&コレクト」と呼ばれることもあります。これは、商品をオンラインで閲覧したり、ウェブサイトやアプリで購入したりできる e コマースの利用を好むものの、配達手数料を支払うことなく商品をより早く受け取りたいと考える注文者に人気のショッピングオプションです。最寄りの店舗まで自分で商品を受け取りに行く必要はありますが、多くの場合、追加料金なしで当日中に商品を手にすることができます。
BOPIS サービスの仕組み
BOPIS サービスを提供する店舗は、このプロセスの主要ステップを最も効果的に実施する方法を検討する必要があります。BOPIS サービスは、以下のステップに分けて考えることができます。
1.オンラインでの購入
すべての BOPIS の注文は、注文者がオンラインで商品を購入するところから始まります。この段階に関連する重要な要素は次の通りです。
会計プロセス:注文者は、ウェブサイト、アプリ、あるいは Uber Eats のようなサードパーティ配達プラットフォームなど、さまざまなチャネルを介して支払いを行います。各チャネルで直感的かつ便利な会計プロセスを提供し、注文者が希望するフルフィルメント方法を簡単に選択できるようにすることが重要です。
受け取り場所のオプション:商品の取り扱いがある最寄りの店舗情報を注文者に提示できる機能が備わっていることが、理想的なオンラインチャネルの条件と言えます。近くの店舗や倉庫はもちろん、スマートロッカーなどの受け取り場所に関する位置情報を提供できることも重要です。
在庫チェック:優れた顧客体験を提供するには、テクノロジーを効果的に使用し、すべてのオンラインチャネルで注文者に最新の在庫情報を提示することが重要です。特に、すべてのオンラインチャネルに統合できる在庫管理ソフトウェアなどのテクノロジースタックを利用することで、在庫情報の管理を最適化することが可能です。
2.注文の品の受け取り
注文を受け付けたら、次のステップは受け渡しです。次の項目について最善のプロセスとオプションを検討し、スムーズな受け渡しを実現しましょう。
在庫の再確認:選択された場所に注文の品の在庫があることを再確認します。在庫状況に応じて速やかに注文者と連絡を取り合い、商品の交換やキャンセルに関する希望を確認しましょう。
リアルタイムでのコミュニケーション:商品が品切れの場合に注文者に連絡する最善の方法や、受け渡しの際に注文者から質問や懸念があった場合にスムーズなカスタマーサポートを提供するためのベストプラクティスを考えておきましょう。
注文の品の梱包:他の業務の流れを止めないよう、BOPIS の注文への最適な対応方法を検討しましょう。たとえば、BOPIS の注文を優先するべきタイミングやその条件を明確にしたり、BOPIS の注文の準備に専念してもらうスタッフを配置したりすることが考えられます(BOPIS の注文数が多い場合など)。
受け渡し場所の指定:BOPIS の注文の品の受け渡し場所を決定し、注文者に連絡しましょう。たとえば、会計エリアに設けた専用スペースや、屋外の受け取り場所(スタッフが注文者の車まで注文の品を運ぶ場合)などが考えられます。
3.返品オプション
多くの顧客は、柔軟なオムニチャネルの返品オプションも重要だと考えています。以下の 2 つを例として、顧客にさまざまな返品方法を提供することを検討しましょう。
店舗内での返品。顧客が簡単に商品を購入した店舗(または別の店舗)に持ち帰って返品できるようにするサービス。このオプションにおいて顧客は、返品と同様の手軽さで商品の交換または代替え商品の購入を行えるというメリットがあります(販売業者は返品を受け付ける過程で販売の機会を得ることができます)。
配達による返品。顧客に、販売業者が選択した配達業者への配達依頼用ラベルを提供するサービス。サードパーティの配達プラットフォームを使用している場合、顧客からの荷物の受け取りおよび倉庫、選択した店舗、または郵便局への返送の管理に役立つホワイトラベルソリューションが提供されていることがあります。
BOPIS サービスの利点
BOPIS の導入は、注文者とビジネスの両者に大きなメリットをもたらします。サービスの提供を開始するべきかどうか迷っているなら、次をはじめとするさまざまな導入メリットをご確認ください。BOPIS の促進は、ビジネスにとって非常に合理的な選択肢です。
顧客満足度の向上
BOPIS は注文者に人気のショッピング方法です。注文者は自分が選択した方法で注文の品を受け取ることができるうえに、配達手数料を節約できます。さらに、注文者が受け取り時に商品を直接確認し、本当に欲しい商品かどうか見極めることができるため、返品の可能性も低くなります。 NRF の調査では、消費者の 90% 以上が BOPIS を便利だと考えており、70% が BOPIS の利用によって消費者体験が向上したと回答しています。
業務効率を高めてコストを削減
BOPIS の注文ではラストワンマイル配達に伴う課題を心配する必要がないため、BOPIS を採用することでビジネス側も管理業務を簡略化できる傾向があります。店舗スタッフや既存のオペレーションに過度の負担をかけることなく、BOPIS の注文を大規模なフルフィルメントプロセスにシームレスに組み込むシステムを開発できるのであれば、物流課題やコストを大幅に軽減できる可能性があります。
売り上げ拡大のチャンス
BOPIS サービスを提供することで、商品をなるべく早く受け取りたいと考える注文者から選ばれる可能性が増え、オンライン売り上げの全体的な増加を見込むことができます。また、注文者は商品の受け取りのために直接来店するため 、ついでに店舗内を見て回り、必要な商品を購入する可能性もあります。実際に、2022 年の PYMNTS レポートでは、消費者の 37% 以上が、BOPIS で注文した商品の受け取りで来店した際に追加の買い物を行うと回答しました。
BOPIS サービスに伴う課題
BOPIS には多くの利点があり、ほとんどのビジネスにとって効果的な選択肢と言えます。しかし、このサービスには課題も伴うため、提供を開始する際には適切な準備が必要です。
在庫管理
来店した際に注文した商品が品切れであることがわかった場合、通常 BOPIS モデルが提供する利便性は失われてしまいます。BOPIS サービスを顧客満足度の高いオプションにするには、顧客がウェブサイト、アプリ、または使用しているサードパーティプラットフォームを閲覧する際に、顧客側に表示される在庫数と実際の在庫数が一致していることを確認する方法が必要です。サービスの提供に合ったテクノロジーに投資し、関連するテクノロジー製品間の統合を設定することが、顧客満足度を高める在庫管理に役立ちます。
BOPIS サービスの提供を可能にするテクノロジーの役割
BOPIS をサポートする適切なテクノロジーがあれば、すべてがよりスムーズに機能します。BOPIS サービスを効果的に提供するために追加(またはアップグレード)するべき 4 種類の主なテクノロジー製品を見ていきましょう。
オンライン注文プラットフォームおよびアプリ:BOPIS が機能するには、利用者にオンライン注文の手段(理想的には複数の手段)が提供されている必要があります。オンライン注文プラットフォームは、 利用者が企業のウェブサイトやブランドのモバイルアプリ上で注文し、安全に支払いを完了し、希望するフルフィルメント方法を選択するために必要な e コマース機能を提供します。また、消費者に自社のビジネスの存在を知ってもらい、注文の獲得につなげるためにサードパーティアプリを利用することも選択肢のひとつです。
在庫管理システム:BOPIS サービスの提供を成功させるための最大の課題の 1 つは、すべてのオンラインチャネルに最新の在庫情報を表示させる必要があるということです。在庫管理システムは、各拠点の在庫量を把握するのに役立ちます。利用者からの注文に在庫量が追い付かないという事態を確実に回避するためにも、BOPIS の注文およびフルフィルメントに関わる他のすべてのテクノロジーと統合する在庫管理システムを選ぶことが非常に重要です。
POS システム:すでに POS システムを利用している場合でも、そのシステムが BOPIS サービスの提供に最適な機能を備えているか改めて確認してみましょう。BOPIS の注文を、他のすべての注文と同じシステム内で簡単に追跡および管理できるようにするには、すべてのオンライン注文チャネルや在庫管理システムとうまく統合された POS を採用する必要があります。
OMS (注文管理システム):さまざまなチャネルを経由し、異なるフルフィルメント方法が設定された注文を同時に管理することは、複雑な作業となることがあります。OMS は、さまざまな注文をすべて 1 つのインターフェースで管理できる、非常に便利なテクノロジーツールです。多くの場合、OMS 製品には、さまざまな注文を処理するためのワークフローをより分かりやすく整理したり、受注時に在庫を追跡および更新したりする機能が含まれています。
小売店および e コマースにおける BOPIS の導入事例
小売店をはじめ、食品・生鮮食品やレストランなど、さまざまな産業に渡る多くの企業が、e コマース注文のクリック & コレクトオプションの提供を開始しています。次に BOPIS サービスを上手に活用しているブランドの主な例をご紹介します。
Apple
Apple は、ウェブサイトと Apple Store アプリの中で「クリック&コレクト」の注文オプションを提供しています。注文者は、希望する商品の在庫がある最寄りの販売店を確認して選択し、会計時に店舗での受け取りを選択できます。通常、BOPIS の注文では 1 時間以内に商品の準備が完了します。注文者が希望する場合、受け取り時間を特定の時間帯から指定することも可能です。
スターバックス
スターバックスは、ウェブサイト、スターバックスアプリ、および一部のサードパーティ配達アプリで BOPIS サービスを提供しています。顧客はオンラインで支払いを行うことができ、ほとんどの地域では、近くの店舗の指定された BOPIS サービスエリアで直接商品を受け取ることができます。一部の地域では、店舗の外で受け取ることも選択できます。
Target
Target は早くから BOPIS の導入に乗り出した企業であり、2013 年に初めてサービスの提供を開始しました。同社は現在、店舗のウェブサイトやアプリで注文を受け付け、店舗での受け取りとドライブアップの両オプションを注文者に提供しています。Target では最近、ドライブアップで返品を受け付けるサービスを開始しました。同様の取り組みは他の企業でも広がっています。
BOPIS のシームレスな導入に役立つ Uber の機能とサービス
Uber は主に企業の配達注文をサポートすることで知られているかもしれませんが、以下のような BOPIS サービスでの注文にも役立つさまざまなソリューションを提供しています。
- ウェブショップを使用すると、オンライン販売チャネルにオンライン注文機能を追加することができます。また、注文者に店舗での受け取りと配達の両方のオプションを提供し、会計時に選択してもらうことが可能です。
- Uber Eats マーケットプレイスに参加すると、オンラインでの販売およびマーケティングの機会を増やしながら、注文者には店舗での受け取りと配達の両方の選択肢を提供することが可能になります。
- Uber が提供するホワイトラベル配達サービス、Uber Direct を利用すると、自社の販売チャネルから商品のプレミアム返品サービスを提供できます。注文者が持ち帰った商品の返品を希望した場合、Uber のネットワークに登録されている配達パートナーの協力を得て返品依頼に対応できます。注文者が店舗まで足を運ぶ必要はありません。
これらのツールは、ほとんどの主要な POS システムとシームレスに統合され、簡単に使用できるように設計されています。また、顧客が便利で直感的に使用できるよう設計されています。多くの顧客が求めるオプションを提供することで売り上げを伸ばし、顧客満足度を向上させ、その結果顧客のロイヤルティを獲得できる可能性があります。
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