KDS とは？キッチンディスプレイ システムのレストラン向けガイド

レストランのキッチンは多忙を極めます。バックオブハウス（BOH）のスタッフは、室温が高く、混み合い、ときには混乱している環境で熟練を要する作業を行わなければなりません。お客様の期待に応える品質の料理をすばやく提供することは、簡単ではありません。キッチンディスプレイシステム（KDS）は、作業をより管理しやすいものにします。

この記事では、次のようなレストラン運営で知っておくべきキッチンディスプレイシステムの主な点について説明します。

• キッチンディスプレイシステム（KDS）とは
• KDS を使用するメリット
• レストランに合った KDS の選び方
• KDS オプションの例
• オムニチャネル注文管理を効率化するソリューション

キッチンディスプレイシステム（KDS）は、レストランで注文が入るたびにキッチンにその内容を表示するためのデジタル技術です。KDS 製品はレストランの POS システムと接続されているため、店舗内、オンライン、またはサードパーティの配達プラットフォームで注文が行われるたびに 1 つ～複数の画面に自動的に表示され、キッチンスタッフが確認することができます。

KDS 製品は、印刷または手書きによる伝票システムの代替となる技術です。紙の伝票ではなくデジタル技術を使用して注文を追跡することでスタッフはすべての注文を 1 つの中央システムで確認すことができるばかりでなく、キッチンをより潤滑に切り回すために設計された機能にアクセスできます。

レストラン向け KDS への投資には、次のような大きなメリットがあります。

KDS は、フロントオブハウス（FOH）と BOH スタッフ間の迅速で合理的なコミュニケーションを可能にします。接客スタッフがダイニングルームとキッチンの間を行き来してチケットを運ぶ必要がなくなり、キッチンスタッフへの注文詳細の伝達をテクノロジーに任せることができます。

多くの KDS 製品は、一部の優先順位付けプロセスを自動化することができます。テクノロジーにより料理の準備と調理の最適な順序が決定されるため、より迅速に料理を提供することができるようになります。使用する製品によってはタスクラウト機能を利用できる場合があり、レストランは特定のワークステーションに作業の割り当てることができます。

さらに、このテクノロジーを使うとキュー内の料理の通常の準備時間に基づき、各注文の正確な提供時間の見積もりを行うことができます。また特定のチケットが長時間キューに残っている場合、一部の KDS 製品はキッチンスタッフにアラートを送ってリスト上の優先順位を押し上げます。

狭く混雑した空間でスタッフが紙の伝票を処理するのに比べ、ソフトウェアは注文を見失ってしまう可能性が低くなります。すべての注文が同じ画面にわかりやすく表示されるため、キッチンスタッフはやるべき仕事を簡単に確認できます。代替品や追加品など、紙の伝票では見落としたり読み間違えたりする可能性のある小さな変更点も、KDS では見やすく表示されます。

レストラン事業においては、ますます多くの注文オプションを提供するようになっています。ほとんどのレストランは、店内での食事だけでなく、ウェブサイトやアプリ、スマートフォン、サードパーティによる配達プラットフォームを組み合わせてオンラインで注文を受け付けています。すべての注文を KDS 画面に同時に表示できれば、すべてのチャネルの注文を管理でき、各注文を準備するタイミングを判断することがはるかに簡単になります。

レストランに合った KDS の選び方

KDS への投資は、適切な判断が必要な重要項目です。KDS の選択肢を評価する際には、次を含むいくつかの要素を考慮することをお勧めします。

KDS は、効率を高めてスタッフの作業を容易にするのに役立ちます。とはいえ、KDS 製品自体の設定や操作の学習、使用が困難な場合、それらのメリットの一部が失われてしまう可能性があります。KDS のオプションを検討するときは、どんな設定プロセスが必要かを調べて、チームが簡単に操作できることを確かめましょう。また、スタッフが多くのトレーニングを受けなくても、直感的かつ簡単に操作できるソフトウェアであるかどうかを確認することも重要です。

KDS を最大限に活用するには、すでに利用している他のテクノロジー製品、特に POS システムと KDS を連携させる必要があります。KDS を選択する前に、他のどのようなテクノロジー製品と連携するように設計されているか、また利用している他のレストラン向けのテクノロジースタックとの連携の設定がどのようなものになるかを確認してください。

KDS 製品の使用にはハードウェアコンポーネントが必要になります。一部の KDS ブランドでは、製品の一部として、または追加購入オプションとして注文を表示するためのスクリーンを提供しています。また、一般的なタブレットブランド（iPad や Android タブレットなど）と連携するように設計されているものもあり、必要に応じて購入してキッチンに導入することも可能です。一般的に、KDS 製品のプロバイダーからスクリーンを入手する方がコストは高くなりますが、キッチン用に特別に設計されているという利点があります。こうしたスクリーンはより耐久性に優れ、高温にも強く、サイズの大きいスクリーンを選択すれば見やすさも向上します。

一部の KDS ブランドはスクリーンとキッチンのプリンターを併用できるオプションも提供しています。こうした製品を使えば、注文の詳細をデジタルで表示するだけでなく簡単に印刷することも可能です。また、追加のハードウェア機能として、スクリーンと連動させて使用するキーパッドであるバンプバーを提供するブランドもあります。バンプバーはコンピューターのキーボードと似ていますが、キーの数は少なく、すべてキッチンに関連するタスクでプログラムされています。KDS にタッチパネル以外のスクリーンを選択した場合、バンプバーは特に重要な役割を担います。

最後に、どの KDS 製品が予算に合うかを考慮する必要があります。KDS ソフトウェアでは、多くの場合サブスクリプション価格モデルが採用されています。関連ハードウェアに関しては、1 度限りの前払い費用がかかる場合もあれば、安い月額料金で利用できる場合もあります。いずれにせよ、ハードウェアにかかる費用は、選択するハードウェアの種類、使用するスクリーンの数、選択する設定（スクリーンを壁掛けにするかスタンド型にするかなど）によって異なります。

KDS 製品の市場は広大です。製品の検討を今すぐ始められるよう、以下にいくつか人気の KDS 製品の情報を簡単にご紹介します。