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ビジネスにおける KPI とは?その種類と例、重要性について
中小企業の運営には、しばしば困難な決断が伴います。時間や予算が限られている状況では、こうした一つひとつの選択が事業に大きく影響します。時には直感に従うことも必要かもしれませんが、よりデータドリブンかつ戦略的なアプローチを取ることで、より効果的な意思決定が可能になるはずです。そこで重要になるのが KPI です。
ビジネスにおける KPI とは何か、そして KPI がそこまで重要とされる理由はどこにあるのかーーこの記事では、こうした疑問に答えるとともに、KPI に関連するさまざまなトピックを取り上げます。ビジネスの種類によって最適な KPI の選択方法も当然違いますが、事業戦略に KPI を含めることは、運営するビジネスの種類にかかわらず効果的なアプローチと言えます。
KPI とは?
KPI は「Key Performance Indicator(重要業績評価指標)」の略です。 企業は優先的に取り組む項目として KPI を選択し、そのデータを追跡することでビジネス目標の達成度を把握します。KPI を効果的に活用するには、定量化できる指標を選択すること、そして、その指標を特定のビジネス目標と連動させることが不可欠です。また、進捗を測定するために、継続的な追跡を行うことも重要になります。週ごと、月ごと、四半期ごと、さらには年ごとで KPI を較することで、企業の長期的な取り組みが正しく実施されているかを確認できます。
KPI が重要な理由
日々の業務に焦点を向ける中小企業のオーナーにとって、KPI はどこか大企業が使うビジネス用語のように聞こえるかもしれません。しかし、KPI は、規模にかかわらず、あらゆるタイプのビジネスにとって非常に重要な指標です。その主な理由を以下に説明します。
優先順位をより明確に定義し、伝えるうえで役立つ
成功させることーーこれはどんなビジネスにも共通する目標でしょう。しかし、あなたのビジネスにとって「成功」とは具体的に何を意味していますか?ビジネスにとって最も重要な KPI を明確に定義することは、「成功」の意味を定義することにも繋がります。それがその後の意思決定の指針となり、主なビジネス目標の達成に繋がるようになるのです。また、KPI はコミュニケーションの手段としても機能します。ビジネス目標や価値観を一般的な方法で表現する代わりに、社員やスタッフに具体的かつ測定可能な指示を与えることができます。
KPI は従業員に実行可能な計画を提供
従業員に伝えるための明確な KPI を用意することで、認識を共有することができます。たとえば優れたカスタマーエクスペリエンスを生み出すことの重要性を従業員に伝達しても、それがさまざまな方法で解釈される可能性があります。注文の処理速度やレストランの待機時間など、利用者の体験に関連する特定の KPI を認識させることで、従業員はその目標を達成する方法をより明確に把握できます。また、マネージャーは KPI を使用して従業員に報酬を与えることができます。たとえば、設定された目標を達成することと引き換えにボーナスやその他の特典を提供することで、注文の梱包や発送の速度を向上させることができます。
KPI を追跡することで問題を早期に特定可能
ビジネスが順調に進んでいない場合、問題の特定が早ければ早いほど、迅速な軌道修正が可能になります。継続的に KPI 目標を追跡し、その進捗を確認していれば、いち早く問題に気付くことができます。こうしてすばやく修正に取り掛かることで、問題の深刻化を回避します。
KPI はデータに基づいた貴重な洞察を提供
日々の業務に関わる中で、経営状況を感覚的に把握できる場合もあるでしょう。しかし、KPI を活用すれば、その感覚をデータで裏付けることが可能です。データを確認した結果、そうした感覚が確信に変わることもあれば、自分では気づかなかったインサイトが見えてくることもあるでしょう。どちらにしても、根拠のない推測ではなく、確かな事実やデータに基づいてビジネス上の意思決定を行うことが可能になるのです。
KPI の種類
さまざまな種類の KPI の独自性、そしてそれが全体像においてどのように当てはまるかを理解することは重要です。ビジネスにおける主な KPI の種類には次のようなものがあります。
定量的および定性的 KPI
定量的 KPI は、数字とデータに基づいています。さまざまなソフトウェアツールで得られる KPI の多くは定量的なものです。一方、定性的 KPI は、数字の背後にあるストーリーを伝える性質をもちます。
定量的 KPI と定性的 KPI の違いを理解するうえで分かりやすい例が、注文者による評価とレビューの違いです。星による評価は、平均的な評価を数値で明確に示すため、注文者の満足度を総合的に把握できます。一方で、そのような評価になった理由を理解するには、レビューで注文者の声を確認する必要があります。
遅行指標と先行指標
遅行指標は過去のパフォーマンスの測定に役立つ指標であり、先行指標は将来のパフォーマンスに影響を与える可能性のある要因を追跡する指標です。遅行指標の例としては、ロイヤルティプログラムの利用者が過去 1 年間に費やした合計金額が挙げられます。一方、先行指標では過去 1 か月のプログラムへの新規登録数を確認し、それを基にプログラムの会員が今後 1 年間に消費する金額を予測できます。
戦略 KPI と運用 KPI の違い
戦略的 KPI は、ビジネスの全体的な成功を把握するのに役立つ高レベルの指標です。業務 KPIは、ビジネスの日々の運営により直接的に関連するものです。たとえば、年度累計の全体的な収益は戦略的 KPI にあたります。顧客満足度に影響を与える注文処理速度などの指標は業務 KPI です。業務 KPI は戦略的 KPI に影響を与えるため、両方を追跡することが重要になります。
ビジネスに適した KPI を定義する方法
強調すべき最重要 KPI は、それぞれのビジネスに特有の優先事項やニーズに応じて決定する必要があります。次の手順に従うことで、自社のビジネスに適した KPI を決定することができます。