レストランの持続可能性に関する 10 のベストプラクティス

さて、レストランにおける持続可能性について注目すべきトレンドを紹介したところで、ご自身のレストランで環境に配慮するために今すぐ実践できる 10 の取り組みを紹介します。

レストランに注文を行うお客さまは、大量のプラスチックが埋立場の多くの面積を占めている現状や、公害の要因となっているなどの使い捨てプラスチックが環境に与える影響を意識しており、環境に配慮した包装材を使用しているレストランを好んでいます。

プラスチック製包装材を注文するのではなく、コーンスターチやサトウキビなどの天然素材由来の包装材に投資しましょう。こうした素材は生分解性があり素早く分解されるため、埋立廃棄物の減少につながります。もうひとつの選択肢として、分解されることで栄養豊富な土になる堆肥化可能な包装材があります。堆肥化可能な包装材の場合、消費者自身が包装材を食物の栽培に再活用できるというのも大きなメリットです。

世界の温室効果ガス排出量の約 14% は、輸送によるものです。輸送は生活の一部ではありますが、レストランは配達サービスを最適化することで効率を高め、ガスの排出量を削減できます。

料理の配達に関しては、ルート最適化ソフトウェアを使用して、ドライバーが最も効率的なルートを選択できるようにすることで、不要な走行距離や排出量を削減できます。自転車または電気自動車による配達サービスも提供することができます。

配達による CO2 排出量を削減するもう 1 つの方法は、Uber のような環境に配慮した取り組みを行っている配達プラットフォームと提携することです。Uber は、現在電気を利用した移動手段による環境に配慮した配達サービスを提供しており、また 2040 年までに世界中で完全電化の ゼロエミッションプラットフォームの実現を目指しています。

食品廃棄の削減を、まずレストランから始めましょう。在庫水準を正確に把握し、食品が腐敗する前に使用できるようにする在庫管理ツールへの投資を検討しましょう。

また、分量の調整も効果的な削減手段です。適切な分量を提供することで、廃棄される食品の量を減らすことができます。

消費者は、より健康的かつサステナブルなメニュー商品を求めています。つまり、多くの消費者がより多くの植物由来の製品を選んでいるということです。 Kerry（ケリー）社の研究により、2 つの主な理由が判明しました。

• ブラジルの消費者の 67% が、自分自身や家族の健康のために植物由来の製品を食べていると回答
• 米国の消費者の 63% が、植物由来の食事が環境に良いと回答
• 英国の消費者の 60% が、植物由来の食事はより健康的であると回答
• 豪州の消費者の 51% も植物由来の食事の環境への影響に言及

この研究結果は、植物由来の食品の世界的な売上高が 2030 年までに 1,620 億ドルに達するという予測を裏付けています。

健康的で植物由来のメニュー商品を加えることは、グローバルサステナビリティに貢献するだけでなく、ビジネスの観点からも次のようなさらなるメリットがあります。消費者の 55% は、食品を含む、より環境に配慮した製品に対してより高い金額を支払う意思を示しています。

レストランで使用している電気製品が旧型の場合、問題は 2 倍になります。

まず、古い電気製品はエネルギーの消費量が非常に多いです。電気製品の性能は、過去数年間で大幅に進歩しているため、新しいエネルギー効率の高いモデルを使用することで、レストランの CO2 排出量を削減できます。新しい冷蔵庫、コンロ、オーブンをお探しの場合は、Energy Star（国際エネルギースター）適合製品を選びましょう。

次に、古い電気製品を使用することで、必要以上に電気料金がかかることになります。新しい電化製品の購入は高額な初期投資になるかもしれませんが、長期的にはレストランの光熱費の節約になります。

「Reduce（削減）、Reuse（再利用）、Recycle（リサイクル）」というスローガンを耳にした方は少なくないと思います。私たちが社会でこの 3 つの R を常に繰り返しているのには理由があり、それは機能するからです。

ガラス、紙、プラスチックを一般ゴミから分別しましょう。次に、上記の資源が適切に処理されているか確認するよう努めましょう。このような小さな変化で、環境に配慮した行動をひとつ増やすことができます。

レストランの世界では、3R に「C」（堆肥用）を加えることもできます。食材の残りや生分解性包装材などの有機廃棄物を堆肥化することで、埋立廃棄物を減らし、地元の農場や庭園で使える有機材料に変えることができます。

レストランが汚れたり散らかっていたりするより、刺激の強い化学物質で洗浄することの方が悪いということができます。洗剤に含まれる刺激の強い化学物質は、従業員やお客さまの健康に影響を与える可能性があります。

これらの化学物質は、水質汚染や大気汚染の原因にもなる可能性があります。洗剤に含まれる化学物質は小川や河川に流れることがあり、VOC（揮発性有機化合物）は大気の質に影響を与える可能性があります。

天井から床にいたるまで、すべてのものを掃除する際は、環境にやさしい洗浄剤を代わりに使うことができます。こうすることで、ご自身、従業員、お客さま、そして環境を守ることができます。

廃棄物の削減や、大気や水の汚染を回避することについて、話し合いが重ねられて来ました。しかし、汚染を回避するだけではサステナビリティは実現できません。天然資源を過剰に使用しないことも大切です。

水は貴重な天然資源です。また、水は地球の表面積の 70 % を占めていますが、淡水の割合は全体のわずか 2.5 % に過ぎません。

レストランは、低流量の蛇口やトイレの設置、節水型食洗機の使用、配管の定期的な点検、こまめに蛇口を閉めることなど、さまざまな方法で水の使用量を削減できます。

持続可能性は、レストランのインテリアデザインや使用する消耗品にも応用してとりいれることができます。例えば、再生木材を使用した家具を購入することで、新たな資源の使用需要を減らすことが可能です。

また、使用する食器についても検討してみましょう。プラスチックや発泡スチロールのトレーで食事を提供する代わりに、（環境に配慮した食器洗い機で）洗うことができる食器を使いましょう。

持続可能性のパズルの最後のピースは、地域コミュニティと有意義な形で関わることです。地域の環境保護団体と協力して、清掃活動、リサイクル活動、教育ワークショップなどを行いましょう。

理にかなっていて、スペースがある場合は、こうしたイベントを開催する場所としてレストランを提供することもできます。地域コミュニティと協力して地域の環境保全に取り組むことは、ご自身やスタッフ、そしてレストランのお客さまのより持続可能な行動につながります。そして何より、地域コミュニティとの絆が深まります。

レストランが持続可能性に取り組むことで、廃棄物の削減、温室効果ガスの排出削減、資源の効率的な利用が実現します。このような努力の積み重ねが、より健全な地球環境を実現し、他の業界の追随を促す可能性があります。

環境への影響だけでなく、環境保護への取り組みはレストランの財政にもプラスの効果をもたらします。エネルギーコストを削減し、配達にかかるガソリン代を節約し、より多く注文してくれるロイヤリティの高いお客さまを惹きつけることができます。

環境保護への取り組みを進めるにあたり、まずは Uber との提携をご検討ください。Uber は企業として、レストランパートナー様と共により持続可能な未来を築くことに投資しています。